
看護師を辞めて違う仕事をやってみたい
看護師しかやったことがないけど、私に転職は出来るの?
結論
転職は出来ます。ただ、「看護師としての経験」は、想像以上にメリットにならない!
「看護師の仕事が嫌になったり、別の仕事がしたい!」と、一般企業へ転職をした方は多くいます。
しかし、ほとんどの方が口を揃えるのは、「思っていたよりも、看護師としての経験が活かせる場面がない。」という意見です。
しかも、一般企業は「売り上げ」という結果が全ての世界。
看護師の働く職場とは、価値観や風土が全く異なるので、新しいストレスもあります。
きちんと実情を調べてから、異業種へ転職するメリット・デメリットを理解していないと「こんなはずじゃなかった。
看護師をしていた時の方が良かった。」と思うことになる可能性も…。



私は、医療機器を取り扱うメーカーから看護師になりました。
私の経験則から、デメリットをガッツリとお伝えしていますが、一般企業への転職は甘くない!ということをご理解頂きたい。
結局、看護師も一般企業も、お金を稼ぐことが大変なのは一緒です。
この記事を読んで、一般企業へ転職するリスクを理解し、看護師を続けるかの参考になれば嬉しいです。
看護師を辞めて違う仕事へ就く4つのメリット


一般企業は、看護師の病棟での仕事内容とは、全く異なります。
まずは、メリットから見ていきましょう。
看護師を辞めて違う仕事に就くメリットは下記のとおり。
- 身体的な負担が減る
- 精神的な負担が減る
- 人間関係のストレスが減る
- 男性看護師は、女性社会から離れることでストレスが減る
身体的な負担が減る
看護師の仕事は、寝たきりの高齢者のケアや介助など、女性には不向きな力仕事がたくさんあります。
一般企業の仕事は、デスクワークや営業先(病院)への訪問が主な仕事になるので、身体的な疲労は減ります。
また、夜勤をしなくても良いので、頭痛が治ったり、いつまでも抜けない疲労感がなくなるのもポイント。
精神的な負担が減る
看護師の感じる精神的な負担は、下記のとおり。
- 命に関わる仕事でミスが出来ない
- いつ、転倒転落するか心配
- 認知症の対応をするのが苦痛
- 排泄物の処理が嫌
- 高齢者の世話で、自分の若い時間を使いたくない
看護師の仕事なので、寝たきりの高齢者や認知症の患者の対応をするのは分かっていますが、それでも心が疲弊するときがありますよね。
看護師から離れることで、これらのストレスからは解放されます。
人間関係のストレスが減る
会社員から看護師になったときに感じたことですが、看護師の人間関係は、学校のように外部と隔離されていて閉鎖的です。
閉鎖的な環境は働く人の思考が狭まりやすく、労働環境がきついこともあって、看護師の性格はきつい人が多いです。



女性の性格がきつい人が多い職場で、びっくりしました。
性格がきつい女性は一定数いますが、看護師の職場ほどは多くはありません。
ギスギスして、いつもピリピリしている職場の人間関係から離れることは出来るでしょう。
看護師の世界から離れるのが、人間関係のストレスを減らす秘訣かもしれません。
男性看護師は、女性社会から離れることでストレスが減る
男性看護師という弱小のポジションは、女性社会で特に気を遣いますよね。一般企業への転職は、女性社会から離れられるチャンスでもあります。
看護師の仕事は出来るけれど、女性社会の人間関係に馴染めないという男性看護師もいます。
▼男性看護師の過酷な働く環境や求められる役割や期待について詳しく知りたい方はコチラ!
【男性看護師は辞めとけってどうなの?】女性看護師から聞いた男性看護師の立場と役割
看護師を辞めて違う仕事に転職する4つのデメリット


ここからが本番です。
当然ながら看護師から他職種への転職には、メリットだけでなくデメリットも伴います。
看護師から他職種に転職するデメリットは、下記のとおり。
- 給料が下がる
- 看護師経験が大して役に立たない
- どうにかして売り上げを上げないといけない
- 自分よりも、年下の上司にペコペコする
給料が下がる
看護師は、20代30代から他職種と比べて給与が高いです。その理由は夜勤です。
看護師を辞めて他職種に転職すると、夜勤がなくなるので給料が下がる可能性があることを覚悟しておきましょう。
夜勤手当が1回15,000円で、月4回の夜勤がなくなると、月にすると約6万円の収入減。年間にすると約72万円も収入が減ることに…。
また、一般企業の営業マンには、インセンティブ(歩合制)という制度があります。
売り上げを出すことが出来れば、いくらでも給与が増える夢のような仕組みに思えますが、大きな落とし穴があります。
相当の努力が必要で、同じデメリットに詳細を紹介しています。
看護師経験が大して役に立たない
私の職場(医療機器メーカー)でも、看護師から転職をされてきた方が一定数います。
先述しましたが、皆さんが思っている以上に看護師としての経験は活かせません。
稀ですが、集中治療室やOPE室経験がある方は、一般病棟経験者より有利です。
そもそも、考えてみてください。
医療機器が頻繁に取扱われているのは、どこでしょうか。
集中治療室やOPE室ですよね。一般病棟で、高額な医療機器は複数導入されていますか?
そういった理由から、集中治療室やOPE室は、医療機器メーカーへの転職においては、有利に働きますが…。
有利に働くと言っても、最初が少し有利になるだけ!
やはり、大きなメリットにはなり得ないです。
むしろ、ビジネスマナーを知らない社会人として受け取られやすいです。
売り上げ(結果)をださないといけないストレス
看護師として働いていると意識しにくいですが、サラリーマンは売り上げをあげないといけません。
よく病院の廊下でスーツを着た営業マンが医師の手が空くのを見たことがありませんか?
私も、経験があるから気持ちが分かりますが、何としても売り上げ(結果)を上げないといけないんです。
「頑張ったけど、結果が出ませんでした。」と言うのは、絶対に認められませんでした。
基本給+インセンティブ(歩合制)という給与形態のため、売り上げ(結果)が出ないと、給与は低いです。
看護師の夜勤手当に似たようなもので、夜勤も辛いですが売り上げが上がらないのも、相当に辛いです。
会社員時代のシトラスの営業努力
私は、会社員時代に営業先の担当者に気に入られるよう色々な努力をしました。
売り上げを出すために行ったこと
- 営業先の担当者の好み、家族構成、吸っているタバコの銘柄まで観察する。
- 営業先の担当者に気に入られる=売り上げが上がるため、担当者と同じタバコの銘柄を吸う。
- どうにか、会ってもらい話を聞いてもらえるよう4,5時間待つのは当たり前。
- 手術が長引いても、こちらから帰るなんてのはあり得ないから、21時や22時まで待つこともあった。
これらのことは、医療機器メーカーの営業マンは皆やっていることです。
ここまでやって初めてスタート地点に立てます。
ここまでやっても、売り上げが上がらないことがあって、毎月の営業報告で売り上げが上がらない理由を問われます。
皆さん、ここまで努力できますか?
年下の若い医師に嫌味や皮肉を言われても、ニコニコしながら対応が出来ますか?
自分よりも、年下の上司にペコペコする
サラリーマンは、結果が全てです。
年功序列で給与が上がっていくのは、過去の話です。
看護師から一般企業へ転職すると、あなたよりも年下の上司が存在します。
売り上げが全ての世界で、年下の20代の上司から嫌味を言われながら、教えを受けることは出来ますか?



私も、看護師から転職してきた方が、若いスタッフから公開処刑を受けているのを何度も見ています。
一般企業は、病院の人間関係と違って完全な縦社会です。
会社の風土や働き方は、病院とは全く違います。
看護師の世界もハードですが、一般企業の世界もハードです。
お金を稼ぐことは、どの世界でも大変なのは変わりはありません。
看護師を辞めて違う仕事に転職するときの転職先一覧


それでも、看護師以外の仕事をしてみたいという方に病院以外の職場をご紹介します。
それぞれ、特徴がありますが、ココで注意が1つ。
病院以外の職場の場合、夜勤がない職場がほとんどです。
つまり、夜勤がない=夜勤手当がないため、給与は下がるということ。
では、紹介に移ります。
看護師を辞めて違う仕事に転職する場合、
- 看護師資格を活かせる職場
- 看護師とは関係ない職種
という2つの選択肢が主にあります。オススメなのは、看護師資格を活かした転職です。
看護師資格を活かせる転職先
看護師資格を活かせる転職先は、下記のとおり。
- 老人ホーム
- 保育園
- 障害者福祉施設
- 会社の医務室
- 治験コーディネーター
- ツアーナース
- デイサービス
- 検診センター
- 美容クリニック
- 献血ルーム
- 児童養護施設
- クリニック
この中でも、人気なのが「保育園、会社の医務室、検診センター」です。
この3つに共通しているのは、下記の内容です。
- 夜勤がない
- おむつ交換やトイレ介助をしない
- 命に関わるケアがない
いわゆる看護師のキツイ仕事をしないということ。さらに、看護師資格も活かせるコスパの良い仕事といえます。
人気があるので、中々空きがないのが現状です。条件の良い転職を成功させるコツは、早めに転職サイトに登録して、転職エージェントに空きが出たらすぐに連絡してもらうことです。
病院就職のようにいつでも、人手が足りませんということはないです。
保育園看護師
保育園看護師は、主に保育園で起こる子供のけがに対応します。保育園の衛生管理も仕事の範囲に入っている保育園もあります。
元気いっぱいの可愛い子供に触れ合うのは、心が癒されます。
会社の医務室
いわゆる保健室的存在です。
体調不良の社員の対応のほかに、職員検診も行います。給与や福利厚生は会社に準じます。
検診センター
主な仕事は下記のとおり。
- 人間ドック
- 脳ドック
- 生活習慣病検診
- 一般検診
- 入学・就職前の検診
クリニックや病院の受診と違って、異状がないかを検査することが業務です。駅前などのビルのフロアにある他、バスで行う移動検診もあります。
看護師とは関係ない職種に転職するときの注意点
看護師資格を活かさない就職先に転職する場合、ハードルがグッと上がります。
特に注意したいポイントは下記の2つ
- 求められるスキルが全く異なる
- 正社員にすらなれない可能性がある
求められるスキルが全く異なる
医療機器メーカーや医薬品メーカーなら、看護師と変わらない給与を維持することが出来ます。
さらに現場を知っているというメリットを活かすことが出来ますが、求められるスキルは売り上げを上げるスキルです。
商品の知識や会話のスキル、相手が必要としていることを読み取る能力など、今まで看護師に必要とされていたスキルとは全く違うスキルが必要になります。
正社員にすらなれない可能性がある
国家資格の看護師は低リスクで違う仕事に転職できる


ここまで、看護師を辞めて一般企業へ転職するデメリットばかりお伝えしてきましたが、ここで看護師免許の威力が発揮されます。
仕事を辞めるってリスクが高いと考えていませんか?元サラリーマンの私が断言します。
看護師の資格って、とても強いです。
看護師免許は最強‼コスパが抜群に良い
国家資格の看護師免許は、北海道から沖縄までどこにいっても仕事に困りません。働き方だって正社員やアルバイト、派遣などどれでも働くことが可能です。
しかも、給与(時給)が高い!
だから2,3年回り道したって、すぐに次の就職先を見つけることが出来ます。
私がサラリーマンから看護師になろうと決めたのも、看護師の資格がとっても強いから。
1度、看護師を辞めて違う仕事を経験して「何か違うかも?」と思っても、看護師なら大丈夫!
私の職場にも育児が終わって20年のブランクがあるママさんも「正社員」で働いています。
失敗しない!看護師辞めて違う仕事に転職成功するための6つのコツ
看護師として働いた経験しかない方のなかには「自分は本当に転職できるのかな…」と不安を抱いている方も多いかもしれません。
その不安は正解です。
何の準備もしないままに、面接を受けにいっても、受かることはあり得ません。
他職種へ転職するコツを押さえていきましょう。
自分の経歴やスキルを整理する
まずは、自分の経歴やスキルをしっかりと整理しましょう。なぜなら応募先に対して的確にアピールできるようになり、採用につながるからです。
転職活動で接する採用担当者や面接官は、はじめて会う人がほとんどです。
そうした人に対し、自分自身のことを深く理解してもらうのは簡単ではなく、そもそもアピールできるポイントを自分が理解していないと、当然ながら相手に届くアピールはできません。
そこで必要になるのが、どんな経歴を辿ってきたか、どんな強みがあるかを明らかにしていくことです。
まずは自分自身がアピールできる武器となる要素を洗い出すためにも、過去の経験をしっかりと振り返ってみましょう。
ポイント
自分が行った業務改善などの取り組んできたことを思い出してみる
あなたが、病院でしてきた実績はいかがでしょうか。
自主的に行ってきた問題解決を強みにしてみましょう。
「何故転職をしたいのか」を明確にする
「なぜ転職したいのか?」といった質問に答えられないと評価を落としてしまうので、自分が転職したい理由を明確にしておくことも大切です。
上司のパワハラや人間関係が原因で看護師を辞めたい方は多いですが、こうした理由で企業はあなたを採用したいと思うでしょうか?
一方で、過去の経験と未来の希望をロジカルに伝えられるとポジティブな印象を与えられます。
理由として、「看護師以外の仕事を経験してみたい。」という理由でもOKです。
しかし、それだけではとても採用にはならないので、あなたを採用することで「○○のようなメリットがあります。」と、アピールしましょう。
転職したい業界・職種の情報収集をする
「転職への本気度」を伝えられるので、情報収集も欠かせません。
まずは応募する業界・職種の知識を押さえておくことが大切ですが、メリットだけでなく、その仕事のデメリットについても理解を深めておきましょう。
「○○の職種の大変なことも理解している」とアピールすることで、入社後にギャップを感じる可能性が低い、つまり「この人であれば長く働いてくれるだろう」といった良い印象を面接官に与えられるからです。
情報収集の方法としては、企業のサイトだけでなく、目指したい仕事で実際に働いている友人・知人にコンタクトを取ってみる、または看護師から他の職種に転職した同僚がいれば話を聴いてみるのもおすすめです。
複数の転職サイトに登録して併用する
転職活動を有利に進めたい場合には、転職サイトの利用がおすすめです。
キャリア相談や求人の紹介、選考のアドバイスといったサービスを無料で受けられるので、1人で転職活動を進めるよりも採用される可能性を高められるからです。
転職サイトを使う際は、複数のサイトに登録しましょう。
多くの求人情報を確認できるだけでなく、担当者との相性を見極めることもでき、さらには複数のサイトに応募書類を添削してもらうことでクオリティを高められるからです。
オススメ転職サイト
これらの転職サイトを駆使して、転職を成功させましょう。
【まとめ】看護師から他職種への転職は低リスクでできる


今回は、看護師から異業種に転職するメリット・デメリットについて解説しました。
結論として、看護師資格を活かした転職がオススメ
しかも看護師から他職種へ転職すると、精神的な負担の軽減や対人ストレスの軽減、生活の質の向上などさまざまなメリットを得られます。
看護師から他職種への転職は不安だと思いますが、看護師資格があれば失敗したとしても、食いっぱぐれることはありません。
看護師として、働ける期間は多くはないので、早めに準備を勧めましょう。