
看護師を辞めたい
何でこんなに大変なんだろう
このような悩みを抱えている看護師が大勢います。
看護師は患者の命に関わる仕事を行っているので、心身ともに負担が重くなりやすいです。
通常の業務だけでも大変なのに係や委員会、勉強会もありゆっくりと休んでリフレッシュする時間がまったく取れません。
この記事では、看護師を辞めたいと感じる理由や転職のコツを解説していきます。転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
看護師が辞めたい理由
- 看護師は多忙で様々な悩みがあるがTOPの悩みは「人間関係」
- わがままで自己中心的な患者の対応がストレス
- 体調や精神状態に異常をきたしている場合は、すぐに行動しよう
- 看護師の資格は最強!働く先は色々ある
看護師辞めたい理由8選
病棟看護師を辞めたいと思っている方には、様々な理由を抱えている方がいます。
主な理由は下記のとおり。
- とにかく指導が厳しい
- 職場の人間関係がよくない
- 「ミスをするかも」と精神的負担が大きい
- 現実と理想のギャップ
- 仕事量が多すぎる
- 夜勤が辛い
- 看護師のキャリアップが難しい
- 自己中心的でわがままな問題児の患者の対応が辛い
まずは、日本看護協会が発表した「看護職員実態調査」を基にしながら、看護師がどのような点で不満を持ちやすいのかを見ていきましょう。
とにかく指導が厳しい
看護師は、患者の命を預かるという責任が重い仕事をします。
そのため、先輩看護師から新人看護師への言い方が厳しくなってしまい、精神的に病んでしまう若手看護師が多くいます。
厳しい指導のせいで委縮してしまい、仕事がスムーズに出来なくなり、また怒られるという悪循環に陥りやすいです。その結果、「私は、看護師に向いていない」と落ち込んでしまう人も多数います。
患者の命を預かる仕事だから「妥協が出来ない」という理由から、指導が厳しくなりがちです。特に、ICUやHCU、救命センターなどの急性期病棟は、患者の容体も変わりやすくピリピリしています。
救命センターは、1年目の看護師の配属先として、絶対にオススメしません。いわゆる花形とかカッコイイという印象を持たれがちですが、とにかくきついです。
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職場の人間関係が良くない
人間関係の辛さは、看護師に限らずどの職場においても「仕事を辞めたい」と思う理由で必ず上がってきます。
特に、看護師は寝たきりや筋力低下などの理由から、1人では仕事が成立しないことが多々あります。人間関係が悪いと、仕事がスムーズに進みません。
先述したように、看護師は命に関わる仕事をしているのに、人間関係にも気を遣わなければならないなんて、働いているのがばかばかしく感じてしまいます。
「ミスをするかも」と精神的負担が大きい
看護師は患者の命を預かるため、「医療ミス=患者の容態の悪化」というプレッシャーを常々感じることになります。
真面目な人ほど、プレッシャーが大きな負担になってしまい、精神的負担に耐えられず辞めてしまうという看護師も多いです。
ミスをすることに過度に恐怖を感じてしまい、何度も薬や患者の確認をしても、「怖くて投薬が出来なくなった」という看護師もいます。
また、患者ごとに抱えている症状や疾患が異なるため、まだ業務に慣れておらず独り立ちできていない新人看護師はインシデントを起こしやすい傾向にあります。
現実と理想のギャップ
どの仕事でも言えることですが、実際に一度働いてみないと自分がその仕事に向いているかどうかは分かりません。
看護師になる前までは、前向きな気持ちでモチベーションが高かったとしても、実際に働いてみると「思っていたのと違う。自分には向いていない」と感じてしまい、退職を検討する病棟看護師も多いです。
実際に業務経験を積んだ結果、「病棟看護師に向いてない」「病棟看護師の仕事がつまらない」と感じるようであれば、医療機関以外の職場に転職したり、環境を変えることをおすすめします。
仕事量が多すぎる
看護師の仕事は、仕事量がとにかく多いです。日常勤務の他にも、ナースコールの対応などもするため、頭の中は常に次の仕事のことばかり考えています。
他にも無駄な業務があり、きちんと休憩を取ることが出来ない日も多いので、仕事が終わるとへとへとになってしまい、何もする気が起きないという日々も。
また、休日にも係活動や委員会、勉強会で時間を取られてしまうこともあり、業務時間以外にも仕事について考えなくてはならないので、リフレッシュできません。
夜勤が辛い
看護師に夜勤はつきものですが、夜勤をやらないと給与がガクッと下がってしまいます。
しかし、夜勤はとにかく辛い。深夜に認知症の患者にぶたれたり、朝の薬を飲んでくれない高齢者がいると、「入院してくるな!」と思ってしまいます。
夜勤明けの日は1日中寝てしまい、次の休みの日も疲れが取れないということも多いです。自分が40代ならなんとか夜勤が出来るとイメージはありますが、50代になったら出来ないと感じてしまいます。
夜勤のせいで体調を崩し、メンタルにも影響をきたすケースもあるため注意が必要です。
看護師のキャリアップが難しい
看護師のキャリアップは、伸びしろが少ないと考えています。
私は、看護師の特定行為研修を修了し特定看護師として活動しています。しかし、ぶっちゃけ特定行為は働きがいが少ないと感じています。
資格手当などの給与に反映されることはなく、反映されたとしても少額で新しい資格を取るメリットが少ないと特定看護師として活動しているから感じています。
自己中心的でわがままな問題児の患者の対応が辛い
患者の中には、自己中心的でわがままな「問題児」とされる患者もいます。
仕事とはいえ、こちらの指示に従わない患者にはうんざりします。自宅とは違い病院なのだから、少しは協調性を持ってほしいと思ってしまいます。
患者のためを思ってしていることでも、自分の気遣いや努力を否定するような言葉を聞くと、モチベーションを失ってしまうのは仕方の無いことです。
辞めたくても簡単に辞められないのはどうして?
「転職したい」と考えていても、様々な阻害要因があるのが看護師の職場です。
今の職場を辞めたくても簡単に辞められない理由を解説していきます。
師長や看護部長が退職を認めてくれない
退職の意思を伝えても、職場の上司から理由を付けられ退職を認めて貰えず、なかなか辞められないケースは多々あります。
このような場合、上司から「あなたが必要なの」「少し働き方を変えてみない?」など甘い言葉を言ってくるケースが多いですが、ここでブレてはいけません。
師長や看護部長などの管理職の目的は、「病棟を運営する」ことが仕事です。「スタッフが働きやすい環境をつくる」ことは、スタッフが定着しやすくなるため病棟を運営することに繋がりますが、優先順位は病棟を運営することです。
つまり、1人のスタッフが働きやすいかどうかは二の次になります。要は、病棟で働いてくれさえすればいいということです。
奨学金の条件に違反してしまう
看護学校に通う際に奨学金制度を利用しており、奨学金無返還の条件を持っているために指定された医療機関で働いている看護師もいます。
この場合、辞めることができたとしても奨学金返済義務が残ってしまうので、経済的負担を懸念して勤務し続けるケースがあります。



私も、奨学金の返済がやっと終わりました。
15年間も毎月払い続けるのは、とてもしんどいです。
給与が下がってしまう
病棟看護師の平均年収は一般的なサラリーマンよりも高い水準にありますが、これは夜勤手当によるものが大きいです。
夜勤が多い病棟看護師勤務であれば夜勤手当が支給されるので、他の職場で看護師として働くよりも給料が高い傾向にあります。
例えば、クリニックなどの外来日勤の平均年収は約398万円ですが、病院勤務の看護師の平均年収は約481万円です。(日本人の平均年収は約445万円)
現在の給与水準に満足しており、「収入が減るのは嫌」という方は、我慢して看護師の仕事を続けるケースが多いです。
今すぐ退職すべき看護師の特徴とは?
続いて、今すぐ退職すべき看護師の特徴を紹介していきます。
下記で紹介する3つのいずれかに該当する場合は、速やかに今の職場を離れることをおすすめします。
半年経っても職場の不満が解消されない場合
現在の職場に不満があっても、すぐに転職しようとはなりませんよね。一時的な感情のせいかもしれないと様子を見ることも必要です。
しかし、半年経っても不満が解消されないのであれば、転職をした方が良いです。そのまま、同じ職場で働いていても改善されることはありません。
あなたが改善しようと頑張っても、今の職場に改善することを期待しても無駄に終わります。
パワハラやいじめが続いている場合
看護師の職場の労働環境がきついせいで、看護師はストレスが溜まりやすく、性格もきつくなりがちです。
仕事のストレスの矛先が新人や若手看護師に向きやすく、理不尽な嫌がらせやいじめが起きやすい環境でもあります。
長期間にわたって理不尽な嫌がらせやいじめを受けている場合は、心の健康を保つためにも速やかに転職するべきです。
具体的なイジメの内容は下記のとおり。
- 攻撃的な口調になる
- 物を投げる、叩くなどをする
- あからさまに無視をする
- ケア度が高い患者ばかり担当にさせられる
- わがままな患者の担当にさせられる
- ミスを自分のせいにされる
上記のようなパワハラやいじめを受けている場合、職場に改善を求めるのは無駄です。あなた自身が疲れ切ってしまう前に職場を辞めることをオススメします。
まともな対応をしても、あなたの心の中の不満は解消されません。
体調や精神状態に影響をきたしている場合
看護師の仕事は、肉体的にも精神的にも負担が大きいです。そのため、無理に働くことで体調やメンタルに異常をきたすけーすもあります。
具体的な例は下記のとおり。
- 気分が落ち込む
- 何をやっても元気が出ない
- 趣味を楽しめなくなった
- イライラする
- 夜中に何度も目が覚める(不眠症状)
- 食欲不振
- 常に誰かに悪口を言われているような気配がする
上記の特徴のいずれか一つにでも該当する場合は、心の病気の初期症状とも言えます。
責任感が強く、真面目な人は我慢して仕事を続けてしまう人も多いですが、このような心の病気を無視していると、結果的に長期休職して再就職が難しくなってしまうなどのリスクがあります。
諦めずに続ける方が良い場合とは
速やかに転職した方が良いケースも多いですが、逆に諦めずに続ける方が良いケースもあります。
人間関係に悩んでいる場合
職場での人間関係に悩む人は多く居ますが、感情的に辞めてしまうと後悔する可能性があります。人間関係のトラブルは、どの仕事でも発生する悩みです。
例えば、特定のAさんが苦手な場合や嫌いな場合には、職場を変える方法は有効です。しかし、「何となく今の職場が嫌」という場合は、次の職場でも同じような悩みになる可能性が高いです。
人間関係がよくない根本的な理由を探し、もし改善できそうであれば、解決を図ってみましょう。
仕事でミスを繰り返してしまう場合
仕事上でのミスが続いてしまい「自分は看護師の仕事が向いてないのではないか?」と考えてしまう人も多いです。
しかし、仕事にミスはつきものであり、ミスを改善していくことで看護師として成長していきます。
また、ポジティブに捉えると「改善の余地がある」「伸びしろがある」ということでもあるので、ミスをしてしまっても悲観的になる必要は全くありません。
特に、新人看護師は「日々の業務の気づき」「学び」「失敗したことと分析、今後の改善点」などを随時メモすることで、看護師としてのスキルアップに繋がります。