プチマッチョナースさん
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研修内容
看護協会が作っているカリキュラムに応じて医師や看護師、社会福祉士などその道のスペシャリストが講師として招かれ、授業をしてくれます。
私が行ったのは東京都清瀬市にある看護研修学校です。
期間
願書出願から認定試験の合格までを合わせると2年です。
認定看護師になる流れ
勤め先の病院から願書出願の許可をもらうには、勤め先の許可を貰う必要があります。
願書と一緒に所属長からの推薦書を提出する必要がありますので、ここは外せません。
願書出願以前から『認定看護師になりたい』と、自分でアピールする必要があります。
認定看護師になって「なにをしたいのか」、自分が認定看護師になることで組織に対してどのような利点があるのかを説明できるようにしてください。
とくに認知症看護領域については認知症ケア加算があり、これは病院の収益に大きく貢献できます。
もしも自分の病院で認知症ケア加算を取っていないのなら、『認知症看護の質を上げるために認定を取りたい、さらに自分が認定を取れば認知症ケア加算を算定できるようになるので病院の収益にも貢献できるはず』というアピールが可能です。
認知症ケア加算の算定要件には看護師で【経験年数5年以上かつ600時間以上の研修修了者】とあり、この600時間以上の研修が認定教育で受ける研修になります。
職場でのアピールを行い、上司の許可を得て、看護部長の許可を得て晴れて願書提出となります。
私が出願したときは、自分が経験した症例を5個上げて、「自分がどんな看護師を展開したのか」をまとめることを求められました。
これが大変で、願書書きで心が折れそうになるのですが、頑張るしかありません。
だらだら書いても仕方ないので1~3週間で書き上げることをおすすめします。
書けたら病棟の上司に見てもらい、そこで訂正をもらって提出です。
願書を提出して書類審査がOKなら、入学試験となります。
書類審査は決められたことが書けていれば、まず通るのでそれほど心配いりません。
私は認知症看護の分野だったので、入学試験対策として看護師国家試験の老年看護の分野の問題集を繰り返しといて、認知症看護関連の本を1冊えらび3回ほど読んで試験に望みました。
試験は客観式のものと小論文です。
小論文を書いたことがない人はザックリでもいいので書き方を調べておきましょう。
入学試験に合格すると、4月からeラーニングが始まります。
特定行為付きのB課程ではeラーニングで事前に勉強し9月から始まる集合教育に備えます。
特定行為研修も含まれるので、勉強時間や内容は今までのA課程より増えています。
ほとんどの方は勤務しながらeラーニングを進めていくことになるので、とても大変だと思いますが、頑張るしかないですね。
長いeラーニング生活をへてようやく集合教育が始まります。
集合教育の半年間の流れは下記のとおり。
- 9-11月:集合教育
- 11-12月:実習
- 1-2月:症例報告まとめ+修了試験
集合教育は毎日が刺激的で楽しかったです。
でも毎日試験があったので大変でした。
実習は、認定分野の実習と特定行為の実習を同時に進めていくので、これもまた大変だったなあと思います。
所属施設からの援助の有無
施設からの援助は下記のとおり。
- 受験代
- 入学費
- 家賃の半分
- 往復の交通費(1回分)
援助的には周りと比較して恵まれている方だと思います。
全額自己負担で来ている人も多かったです。
特に認知症看護認定看護師の場合、先程お伝えしたように認知症ケア加算が算定できるようになります。
自己研鑽として資格を取ったとしても病院がそれで加算を取るならば、明らかに我々の学費は病院の経費のはずです。
認知症ケア加算は学費を賄えるほど十分に取れる加算なので、もし職場で全額負担を言われた場合は交渉の余地があります。
この交渉は上司にするのではなく、病院の事務担当者である総務課か人事課の方にするべきだと思います。
かかった費用の概算(かなり安い)
当時はコロナ禍で交通費、宿泊費がかなり安くなっていました。
主な費用は、下記のとおり。
- 入学費+授業料106.6万円
- 書籍代1.5万円
- 交通費12万円
- 家賃33万円(4ヶ月分)
- 生活費20万円
- 引越し代1万円
- 宿泊費3.3万円
- 合計177.4万円
すべて自分で手出しすると受験料を含めて学費・生活費で200万円で、私の手出しの金額は45万円ほどでした。
研修の間は基本給だけ給料としてもらってたので、収入減もありなかなかしんどかったですね。
職場の補助はかなり恵まれている方だと思います。
自炊率98% 月イチ家族の元に帰ったので交通費は高くなっています。
研修で大変だったエピソード
研修先が、自宅から通えない距離だったので研修中はマンションを借りて研修先に通い、月に1回自宅に帰っていました。
ただ、家族と離れて生活をしていたので妻が一人で子育てすることになってしまい、申し訳なかったです。
途中から、妻と子供も東京に来て、ワンルームマンションで家族3人生活をすることにしました。
勉強をするスペースがなかった
ワンルームマンションなので、ご飯を食べるのも寝るのも同じ部屋です。
夜は子供が寝るので電気がつけられません。
子どもを寝かしつけた後に洗面所に移動し、洗面所の電気で洗濯機を机にして試験勉強してました。
それから、eラーニング期間は1日2-3コマは映像授業を受けます。
私の施設では、e-ラーニングの受講は勤務時間に含まれないため、勤務時間外で行う必要がありました。
仕事との両立もかなりタフで、自宅で 1歳前の娘をおんぶしながら毎日eランを進める日々でした。
活動内容
今勤めている病院には私を含め認知症看護認定看護師が2名いるので、私は病棟で働いており、もう1人が専従で病院全体の認知症看護(認知症ケア加算に必要なこと)を担当しています。
私は、脳神経外科・脳神経内科の病棟で働いていて、基本的には病棟の看護師と同じように働いています。
月に2回認知症ケアカンファを開いて、その時に気になっている患者さんのケアについて病棟スタッフと一緒に考えています。
自分の受け持ち以外の患者さんでも認知症があったり、認知機能低下がある患者さんには積極的に関わるようにしています。
自分が皆のお手本になれるように【まずはやってみせる】を心がけて、日々認知症ケアの視点で患者さんに関わっています。
特定行為について
私が取得したのは2区分5行為ですが、主に抗不安薬、抗精神病薬の臨時投与を実践しています。
病棟の患者さんで不眠時指示を使っても全然眠れない方の眠剤の種類や量を考えて、主治医に変更の相談をしています。
また超高齢の患者さんの不穏時指示の薬剤の減量や、不穏時指示を使うタイミングについても検討して特定行為指示として、主治医に指示を出すこともあります。
認知症ケアチームに所属しているので、他病棟の患者さんであっても特定行為実践の依頼があればカルテを見て、患者さんのもとへ行って薬剤の変更を検討することもあります。
認定と特定の活動の両立
認定と特定の両立ですが、病棟に配属されると病棟看護師としての役割もあります。
現在は私のメインは病棟看護師です。
病棟の仕事を行い、認定看護師として実践、指導、相談の3つの認定看護師の役割と果たすようにしています。
が、実際のところ病棟の仕事がメインで認定らしい仕事はできていると胸を張って言えない状況です。
特定行為の実践は自分の受け持った患者さんをメインに、病棟にいる患者さんを対象に月3-5症例くらい行っています。
正直なところ、認定を取る前と比べて仕事量や残業時間は増えました。
しかし、病棟業務のあとに認定の仕事をするときは上司に説明して、必ず残業申請します。
サービス残業はしないように心がけています。
資格取得前に知っておきたかったこと
認定看護師は5年更新でポイント制です。
5年で50ポイント必要になります。
学会の参加や講師、研修会の開催でポイントが取れますが、これにより計画的にポイントを取る必要があり、自分の時間も割く必要があります。
こんなことが大変
認定看護師になってから実感したのは、下記のとおり。
- とにかく仕事量が増える
- 認知症ケア加算が取れる仕組みづくりの構築
- 資格取得にかかった費用の回収は難しい
仕事量が増える
とにかく仕事量が増えます。
資料の作成・研修会の企画書・報告書など、事務仕事が増えるイメージです。
病棟所属で院内全体の認知症ケアの仕組みを整えていくと、更に大変だと思います。
もし院内に1人の認知症看護認定看護師なら専従にしてもらえないか、職場で相談した方がいいです。
認知症ケア加算が取れる仕組みづくりの構築
あなたの施設は、「認知症ケア加算」を取っているかご存じでしょうか。
あなたの施設が「認知症ケア加算が取れる体制」が整っていない場合、「認知症ケア加算が取れる仕組みづくり」を、最初から作り上げる必要があります。
認定看護師の教育機関では一切教わらないので、とても大変です。
私の場合はもともと加算を取っている職場でしたが、認定の同級生たちは本当に大変だと言っていました。
資格取得にかかった費用の回収は難しい
資格取得にはかなり高額な費用がかかり、【元を取る】と考えるとなかなか難しいような気がします。
その後手当がつくとも限りませんので、認定看護師を取るのはなかなか覚悟が必要だと今更おもいます。
私もお金のことはあまり考えずに願書を出したので。
家族もいますので事前に金額の情報があったら尻込みしていたかもしれません。
最後に
『認定を取ってよかったか?』と聞かれたら答えはYESです。
今までなんとなくやっていた自分の仕事に責任と誇りを持てるようになったからです。
お金と時間がかかり、その後も大変になりますが、数十年は使える資格だと考えています。
認定の資格を持つことで、『自分はこの分野のスペシャリストなんだ』と思って働いています。
今後、認知症の方は増える一方です。
その中で認知症ケアをともに広める仲間が増えることは嬉しいことです。
もしも、この記事を読んでいる方の背中を押せれば幸いです。