本記事では、家族のケアをしながらも特定看護師として働いている私が、看護師のキャリアと働き方について私の考えを紹介します。
私は会社員から看護師に転職し、特定看護師の研修を修了しました。
ライフスタイルの変化と共に看護師のキャリアってこれで良いの?と疑問を持つようになりました。
本記事を読んだ方が、これからの看護師としての働き方の参考になれば嬉しく思います。
自己紹介
私は、現在「特定看護師」として、病院で働いています。
まずは、私のプロフィールから紹介します。
- 30代 2児のパパ
- 会社員を経て看護師になる
- 看護師5年目で特定行為研修を受ける
- 家族の体調不良により育休&時短勤務を経験
次に私の修了した特定行為について、紹介します。
- 呼吸器(気道確保に係るもの)関連
- 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
- 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
- 動脈血液ガス分析関連
- 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
- 循環動態に係る薬剤投与関連
- 術後疼痛管理関連
▼看護師の特定行為について詳しく知りたい方は、こちらで紹介しています。
▼特定認定看護師と特定看護師の違いについて知りたい方はこちら。
特定看護師に出来ること・特定認定看護師に出来ないこと 違いを比較
看護師のキャリア(資格取得)について
看護師のキャリアについて思いつくことといえば、認定看護師・専門看護師の他に最近人気のある診療看護師がありますよね。
また、徐々に認知度の上がってきた特定看護師もあります。
ただ、ごちゃごちゃして分かりにくいですよね。
キャリアに対する個人的考え
私は、一般企業でサラリーマンをしていたため、看護師のキャリアアップについて疑問に思います。
私がイメージするキャリアアップとは、専門的な仕事と仕事内容に見合った給与のアップです。
それに対する結論は下記のとおり。
結論
専門的な仕事はできるが、給与は全然見合ってない。むしろマイナス!
専門看護師・認定看護師・特定看護師などの資格がありますが、いずれも専門的な仕事はできます。
しかし、仕事内容に見合った給与アップはありません。
むしろマイナスになる事があります。
どうしてマイナスになるの?
専門看護師のことは分からないため、ここでは省かせて頂きます。
資格手当を貰っていない方は大勢います。(統計ではなく、Twitterなどでお聞きした限り)
また、資格手当を貰っている方でも、月に10,000円程度だそうです。(これも統計でもなく、調べた限りの数字です)
認定看護師の場合
認定看護師の場合、資格更新のために学会への参加などを行います。
それらの移動費やホテル滞在費を考慮するとマイナスに場合があります。
特定看護師の場合
特定行為を行う特定看護師の場合、主に日勤の勤務帯に特定行為を行うことが多いです。
- 特定行為を充実させるために日勤を増やす(週に1回活動日を設けるなど)
- 夜勤が減るため、給与が減る
研修を自腹で受けて専門的な仕事までしているのに、給与が減るってどういうこと?って思いました。

私は、活動日を設けていません。
給与が下がると、家計が赤字になるからです。
家族がいて、色のローンも払っているのに給与が減ることは了承できません。
専門的な仕事ができるようになる
看護師の特定行為は医行為の代行なので、この点に関してはイメージ通りでした。
特定行為は楽しくて、とても便利です。
多少、思うところはありますが、「私にしかできない仕事」というのは、とてもやりがいがあります。



医師から「シトラスさん。ほんとに助かります。」と言ってもらえると嬉しいです。
結論:専門的な仕事に対して給与が増えない
私は、活動日を設けていませんが、看護師業務をしながら特定行為を行っている現在の働き方に満足しています。。
しかし、給与に関しては不満があります。
理想は、夜勤をやらなくても良いくらいの給与アップが望ましいですが、それは無理な話…。
看護師の給与が上がらないのは、看護業界の「仕事に対する評価」の考え方のせいだと思います。
看護師の仕事に対する評価
一般的に専門的な高度な仕事に対しては、仕事内容に見合った給与が支払われます。
しかし、看護師は個人の頑張りや結果が評価されにくいのが現状。
それは、看護師はチームで動く仕事だからだと思います。
チームで動く看護師だから、看護師の仕事で個人の頑張りが評価されにくいのは理解できます。
しかし、専門的な仕事をしているのに評価されず、給与が上がらないというのはおかしい。
一般企業の仕事の評価
ここからは、私の会社員時代の話になります。
私は、サラリーマン(医療機器の営業)から看護師に転職しました。
サラリーマンは、売り上げという分かりやすい評価があり、私も売り上げを上げるために努力をしました。
私が営業のときに行っていた努力は、下記のとおり。
- 営業先の担当者の好みや家族構成を把握する。
- 担当者の吸っているタバコに合わせて、同じ銘柄を吸う
- ゴルフや読書など休みのときの趣味なども、相手に合わせて知識を入れておく
これらの内容を、会話の中でさりげなく情報を集めていきます。
すべては、売り上げを上げるためです。
そこまで努力するから、サラリーマンは『歩合制』というインセンティブが成立します。
営業成績の低いサラリーマンは、会社にいづらいです。
給与泥棒なんてことも言われます。
看護師の専門的な仕事に対する評価
現状、特定認定看護師や特定看護師の活動は、結果を出しても給与に反映されているところは少ないです。
修了者の皆さんは、努力されています。
同じ部署のスタッフに頭を下げて特定行為をしている人や、自分の休憩時間を削って特定行為をしている人も少なくありません。
その頑張り(結果)に対して、個人のインセンティブが反映されないのは、おかしいと考えています。
「頑張って結果を出している人が評価されない現状」を見ている周りの看護師が、自分も特定行為をやりたいと思えなかったとしても、仕方のないことです。
看護師のキャリアアップを考えたときに、専門的な仕事に対する評価(給与アップ)がされないと、今後も取得者が増えません。
▼特手行為修了者へのアンケート調査の結果が知りたい方はこちらで紹介しています。
特定行為研修修了者『1354名へアンケート』最も多い特定行為は⁉給料は⁉どうやって働いているの?
キャリアアップで夜勤をやらなくても生活できるか?
結論
生活が変わるほどの給与アップはできない
看護師のほとんどの方は、夜勤をしていると思います。
私も、30代になってから夜勤が辛く感じるようになってきました。
しかし、給与が下がることを考えると、夜勤をやるしかないというのが現状です。
残念ながら資格手当は、看護師の特定行為修了者の内、3割程度の人数しかもらっていません。
さらに月額10,000~20,000円が多く、夜勤手当を補填するほど貰えていないのが現状です。
看護師の特定行為研修を受けるメリットはあるのか?
ここまで、看護師のキャリアアップについて否定的な意見をいってきましたが、
結論
研修を受けられるチャンスがあるなら、受けた方がいい
特定認定看護師・特定看護師のどちらでも、取れるチャンスがあるなら取った方が良いです。
資格を取得するということは、他者との差別化になります。
現状は、明確に看護師の特定行為が役に立っているという認知はされていません。
しかし、今後発展し活躍の幅が広がっていくことは間違いありません。
さらに、2年ごとの診療報酬改定で特定行為の診療報酬は毎年増えていて、需要は高まっています。
今後、役職が上がるために資格を取得している看護師が優遇される可能性もあります。
さらに、専門的な資格や研修を修了していることは、別の病院に転職する場合にアピールポイントになります。



特定行為でしかできないことも多々あり、○○してほしいと連絡がきます。
「自分にしかできないこと」というのは、強みです。
まとめ
看護師のキャリアについて個人的な考えを紹介しました。
看護師のキャリアアップは資格を取得することで、専門的な仕事をすることが可能。
しかし、生活が変わるほどの給与アップは見込めず、専門的な仕事に対する評価も曖昧です。
ある程度、給与アップは望めないが自分なりのやりがいは、必要ではないでしょうか。
キャリアアップの目的が給与を上げることであれば、資格の取得よりも転職のほうが可能性はあります。



キャリアアップの目的を明確にしないと、こんなはずじゃなかったということになる可能性もあります。
資格を取得する目的を明確にしましょう。