【実際の活用例を紹介】 医師と看護師から見た特定行為のメリット・デメリット

特定行為が医師と看護師・患者の全ての立場でメリットとなれば良いのですが、実際はそう上手くはいきません。特に医師の立場と看護師の立場で見方が異なってきます。

この記事では、普段私が行っている特定行為を元にそれぞれの立場からのメリットとデメリットを紹介します。

目次

特定行為【人工呼吸器の離脱】一連の流れ

今日の受け持ちは○○人か。
チャンスがあれば、特定行為をやっていこう

医師

これから、手術があるからAさんの人工呼吸器のウィーニングお願いしていいですか?

分かりました。抜管基準まで人工呼吸器をウィーニングしておきます。

リーダー看護師さん。○○医師からAさんの人工呼吸器の離脱を依頼されたので、しばらく手が離せなくなります。

看護師

分かりました。
スタッフの数が多い日勤の間に抜管したいですね。

~数時間後~

医師

人工呼吸器のウィーニングはどうなりました?

抜管基準まで人工呼吸器の離脱は終わっています。
SATとSBT両方ともクリアしています。

医師

ありがとうございます。
では、抜管しましょう。

特定行為のメリット

メリット
  • 医師➡特定看護師が呼吸器のウィーニングを代行してくれるため負担が減る
  • 看護師➡日中のスタッフの数が多い時間に抜管を終わらせることが出来る
  • 患者➡人工呼吸器の装着日数を減らすことが出来る

必要な処置を日勤の間に終わらせることが出来る

例えば、医師が手術などで日中手が離せない場合夕方から呼吸器のウィーニングを開始して18:00くらいの微妙な時間に抜管というケースがあります。もしくは、翌日に抜管を持ち越すという場合もあります。

そこを特定行為として介入することで、日勤中に行う処置を日勤の勤務時間内に実施することが出来ます。

夜勤はスタッフの数が少なく、抜管後も酸素化の評価のためにスタッフが常に近くにいる必要があります。観察がこまめに必要な処置や危険を伴う処置はスタッフの数が多い日勤の間に行うべきです。

特定行為のデメリット

先ほどのケースには実は続きがあります。特定行為のデメリットは主に看護師側に発生します。

看護師業務を兼任しながら特定行為をしている場合以下の様なことが起こります。

看護師

シトラスさん、人工呼吸器のウィーニングは終わりましたか?
休憩ですが、○○時からいけますか?

人工呼吸器の設定を変更したばかりで、15分後にAガスの評価をしたいから休憩にはいけません。

看護師

分かりました。
(今日は、スタッフの数が少ないから特定行為されると休憩が回せないんだけどなぁ。)

看護師業務を兼任しながら特定行為を行っている環境では、周囲のスタッフとの調整も必要になります。

その日の病棟全体のマンパワーや当日の状況を無視して独りよがりに特定行為を行うと、周囲の協力を得られなくなります。

私は、勤務の際に受け持ちを少なくしてもらったり軽症の患者を担当したり出来るよう調整して貰っていますが、それも当日のマンパワーや欠勤等の状況により変わります。

重要なことは、特定行為を行うことではなく、特定行為を行うことが病棟全体のメリットになっているかだと考えています。特定行為を医師から依頼されたとしても、看護師業務を優先させる必要があれば断っています。

まとめ

周囲の状況を顧みず特定行為を行うことを目的とすると、誰のメリットになっているの?という状況になります。

特定行為を行う前に特定行為を行うことがきちんと周囲のメリットになっているか判断することが必要です。病棟の看護師からの理解と協力を得られなければ、特定行為自体を行うことが難しくなります。

この記事を書いた人

看護師のキャリアと働き方の奮闘について情報を発信中

シトラス
  • 30代 2児のパパ
  • 会社員を経て看護師になる
  • 看護師5年目で特定行為研修を受ける
  • 妻のうつにより育休&時短勤務を経験

修了した特定行為区分

  • 呼吸器(気道確保に係るもの)関連
  • 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
  • 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
  • 動脈血液ガス分析関連
  • 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
  • 循環動態に係る薬剤投与関連
  • 術後疼痛管理関連
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